●研究活動
支部活動「 当 時 」
長生支部
一宮商業高校 石 丸 喜 信
平成4年4月、夷隅郡夷隅町にある県立夷隅養護学校に異動となった。初めての学校勤務である。
赴任のため、辞令を手に学校へ向かう道すがら、道端の木々が鮮やかに芽吹くその道程は、非常に遠
く感じた。
山々に囲まれた田園のなかの」角に夷隅養護学校は設置されていた。
それまで学校勤務は未経験であり、ましてや養護学校での見るもの聞くもの全て初めてであるため、
非常に不安を感じた。また事務職員はもとより、運転・介助・用務・栄養・調理職員の業務まで所掌
すると聞いて驚いたものである。
夷隅養護学校は、学校種別としては知的障害の児童・生徒を対象とした養護学校であるが、障害を
併せ持った児童・生徒も学んでおり、小学部から高等部まで設置されているとのことであった。
「知的障害の養護学校では、学習指導要領の教科と養護・訓練せ含む他領域を合わせた指導を中心に
位置付けることが多い。教科・領域を合わせた指導では、生活単元学習、日常生活の指導、作業学習
遊びの指導等を行い、将来及び現在の生活に役立つ能力の育成や意欲の喚起等をねらいとし、実際的
・具体的な活動を重視した教育を行っている。また障害の程度が最重度の場合、養護・訓練を中心と
した教育課程を編成し、個々の障害に合わせて健康の維持や感覚の発達などを目的として指導してい
る。」との説明を受けたが、言葉の意味がわからずまったく内容を理解できなかった。
また、スクールバスの運行管理、就学奨励費の支給、給食などの業務があり、当初はその内容・状
況が判らず、業務を執行する上で的確な判断が出来すに職員に大変な迷惑をかけたのではないかと思
っている。
介助員の代理としてスクールバスに乗車したこともあり、事務職員とはいえバスの乗降の介助を行
う上では児童・生徒とのコミュニケーションの必要性を感じた。ある時バスの中で話をしていたとこ
ろ手を出せと言うので出してみると小学部の男の子に指を噛まれた。またある時は女の子を母親から
預かり抱いてバスのシートに座らせた際、あまりの体重の軽さに驚いたことなどが思い出される。
また、コンピュータの導入(たった4台であるが)、バスアーケードの設置など施設設備のハード
面の整備を行ったこと、さらに事務職員の一人として、地区支部長を経験し研究発表に多少なりとも
関与させてもらったこと、大盛りの給食を食べ体重が80㎏近くに増えたこと、年間数回程度ではあっ
たが近隣に設置されている総南博物館・夷隅地方出張所の庶務課職員との交流会をもったことなども
懐かしく思い出される。
現在、2校目である県立一宮商業高等学校でお世話になっている。高等学校での勤務も初めてであ
り、ここでも職員に迷惑をかけなから業務を進めているが、事務職員会先輩諸兄の御指導をいただき
ながら業務を遂行したいと考えている。
事務職員会の更なる発展を祈念している。