●研究活動
支部活動近年の安房支部の活動を顧みて
安房支部
安房水産高校 長谷川 清
本会創立50周年記念誌上梓にあたり近年の全国公立高等学校事務職員研究大会での研究集録を再
読してみた。
昭和60年 第38回大会 群馬県 発表者 安房水産高校 吉村和子主任主事
『分掌分析による事務能率の向上について』
年々複雑化する学校事務、そこで働く事務職員には、専門的な知識を必要とするものから軽作業ま
で巾広くそして正確、迅速に処理しなければならない能力を要求されている。
分掌を分析することにより、
1.事務能率の向上。
2.人間関係をスムーズにする。
3.職務の多様化に対処する。
4.発想の転換を計る。等を踏まえアンケートを実施。マンネリ化を防ぐためにも分掌を3年位
で替えてみてはとの意見が大勢であった。
平成2年 第43回大会 香川県 発表者 館山高校 渡部信行主任主事
『学校における樹木の管理について』
社会的発展は「自然」に調和し、「自然」を豊かにするものでなくてはならない。私たちは、今私
たちが受け継いだこの素晴らしい自然を次代の人々に伝えていく役目を担っている。樹木は、空気の
浄化・緑陰・防音・防火・防風・防塵など物理的な面と景観の保持・季節の変化など精神的な面の両
方を持っている。と樹木の効果・効能を説いている。今の地球温暖化・洪水等は樹木の大量伐採がそ
の一因であると言っても過言ではなかろう。
平成4年 第45回 鳥取県 発表者 長狭高校 相川幸江副主査
『余暇と生涯学習の一考察』
アンケートから、私たち事務職員にとってもストレスは付き物であり大切な余暇を使って、様々な
方法でかなりの人が「ストレス解消」「健康増進」に効果を上げていることが分かる。そして殆どの
人が「習うは一生」の諺どおり人生をより豊かに、より充実したものにするために、生きがいややり
がいを求めて、今後も生産学習に取り組んでいきたいと考えている。勤務から離れた時、生きがいも
何も残っていなかったというのでは寂しい限りであり、絶えずより良く生きようと努力するこの努力
こそが生涯学習かも知れないと。
平成8年 第49回 山形県 発表者 安房水産高校 近藤佳純主任主事
『苦情処理について』
創立当時から比べると地域の状況や立地条件、住民の考えや対応など周辺の環境が大きく変わって
きて、学校に対する苦情もさまざまな面に及んできた。よって電話等直接対応しなければならない事
務職員のために、ケースごとに理想の対応をマニュアル化。やはり基本は「さわやかハート」。相手
の気持ちを考えて心優しく対応することだと。
平成10年 第51回 北海道 発表者 安房南高校 齋藤幸江副主査
『職場の環境と労働安全衛生』
職場は重要な生活の一場面であり、快適で健康・安全に働けることが重要。事務職員も職場全体の
環境造りに積極的に参画をすべきであり、身体的健康を更には精神的健康を。心の健康は能力の発揮
人間関係の確保などに最も重要でありそのためには働きやすい、人に優しい職場造りをと。
以上当支部の研究に、先賢の職務に向かう真摯且つ情熱的な伝統を連綿として受け継ぐ表現が散見
され、内容の充実が当支部の研修活動を如実に物語っている。またこれらの発表が生々しく今もって
新鮮さを失わないことは、研究グループの皆様の予見・先見の確かさと情報収集のご労苦によるもの
と改めて敬意を表する次第である。
なお、長野県での平成12年度第53回大会でも当支部の研究発表が予定されていることを申し添
えたい。