出会いに感謝
                              第19代会長 市川 喜明
 あの人には、『人間的魅力』がある、といったことをよく耳にするが、この『人間的魅力』とは
どのようなものをいうのだろうか。
『人問的』とは「行為・感情に人間性が現れているさま。人間味があるさま。人道的。ヒューマニ
スティック」(口本語大辞典)とある。このうち、はたしてどの言葉がもっともあてはまるっている
だろうか。やはり、人間味があるさまが相応しいように思います。
 『人間味』とは、「人間として白然に備わった温かい情合い」であり、つまるところ、思いやり」
で人の心を引きつける力なのであり人間的魅力は単一ではなく、『温かい思いやり』は、不可欠な
条件ではあるけれどもすべてではないと思う。『厳しさ・正義感・信頼感』などが考えられると思
います。
 自分たちの身近に『人間的魅力』のある人がいないと答える方は不幸だと思います。身近にいる
人達を考えてみれば、家族・隣人・職場での部下・同僚・上司など多くの人達がいるのに、その中
に『人間的魅力』のある人が、一人もいないことになるわけで、身近すぎて見過ごしているのか?
 是非見直してみたいものです。そして、自分自身の隠れた魅力を探ってみてはいかがでしょう。
 原稿を書きながら、中学・高校時代の校長先生を思い出します。入学式も終わり、1年生として緊
張しながら初登校途中のこと、校長先生と出会い「君は、何組の誰かな!」、「……先生クラス!」、
「友達を沢山できるといいね!」など言葉をかけられた。その後、再度会う機会があり「……クラス
の……君だね1」と記憶していたことに驚きを感じたことがあります。
 常々、「魅力のある信頼される人間たれ」と力説され、「謙虚に誠実で抱擁力を持つということは、
他人から信頼される人間的魅力を備えた人格であることが、ようやく分かりかけてきたような気がし
ます。
 昭和54年に養護学校の義務教育化が施行されることに伴い、千葉県立船橋養護学校開設準備副委員
長を命ぜられ、障害児教育の現状認識もなく着任したとき、児童・生徒の教育活動は生活指導や機能
訓練等を中心とした学習形態は驚くばかりでした。
 校長先生から、子供達の通学する様子など説明いただきました。校長先生は、「障害児教育に携わ
り失敗と反省の繰り返しです。
 でも、この子達にしてあげられることを模索し今日に至りました。今、出来ることを大切に頑張っ
てください。何事も、一人で悩まず相談しながらやりましょう。」励ましと、温かい思いやりに支え
られ、環境整備・施設設備等整備に明け暮れしたところです。
 2000年の幕開けは、教育再改革の年代とも言われております。社会的変革に敏速に対応するととも
に、物から心の豊かさへの切り替えが求められております。
 千葉県公立高等学校事務職員会創立50周年の節目を迎えましたが、私どもの周辺では高齢化・少子
化或いは国際化・情報化と社会環境・価値観が、激しく変化し複雑多岐にわたる事務能力および知識
が求められております。経済状況の悪化により、教育関係予算も見直しされております。厳しい環境
に耐えて職責を果たすべく学校運営の工夫と学校教育の目的達成に向け知恵を発揮し、職責を果たす
必要があります。

事務職員として、職員の皆様方の協力と支えにより25年間勤務することができ感謝を申し上げます。
会の益々の発展と会員各位のご健勝とご活躍を願っております。